☆彡ヨルダンの提案した「人道的休戦」の決議採択!
猛烈なイスラエルによる空爆で、パレスチナ住民の死傷者数は増え続けています。支援物資は全く足りず、現地の医療は崩壊しています。
国連安保理が常任理事国による拒否権の乱発で機能不全に陥る中、10月27日、国連総会(193ヵ国)は、イスラエルとハマスの軍事衝突をめぐる緊急特別会合で、ヨルダンが代表して提出した決議案を、加盟国の3分の2近くの121ヵ国が賛成し採択しました。肝心のアメリカは「人道危機など起きていない」とまで主張したイスラエルなどとともに反対(14ヵ国)し、日本を含めて44ヵ国は棄権しました。なお、カナダは、ハマスによる「テロ攻撃」と民間人誘拐の非難を求める修正案を提出しましたが、米欧を中心に日本も含めた88ヵ国が賛成しましたが、否決されました。
決議の主なポイントは、次の通りです(日本経済新聞による)。
◆人道的な休戦を求める
◆人道回廊の設置を求める
◆ガザ住民や国連職員などに対して出した避難命令の撤回を求める
◆違法に拘束されている民間人の即時解放を求める
法的拘束力はないものの、各国でのガザ市民に対する連帯の大規模デモを背景に、各国の首脳が「人道的な観点から戦闘を止めよう」とする声が高まっている、ということに背中を押されていることを示している、と思います。なにしろ、各国のデモに参加している民衆にとってイスラエルは、〔もともと住んでいたアラブ人を追い出し、彼らの住処を奪い、難民にした〕というように映っているのであり、ハマスによる攻撃の「被害国の自衛措置」と訴え、ガザ地区への空爆を繰り返している――この蛮行を許せない! と思っているからです。
☆彡〝即時停戦〝が〝人道的な休戦を求める〝に変更!
ヨルダンの提出した最初の草案では、〝即時停戦〝を求めていましたが、27日の採決の前に、「人道的な休戦を求める」に変更したそうです。121ヵ国の賛成を得たのは、そのためであったのか、とわたしは思います。否、採択に必要な賛成票を集めるためには、〝即時停戦〝を収めるしかなかったのでしょう。
毎日新聞の記者は、「ヨルダン案の投票が始まると、議場のスクリーンに表示された賛成数はすぐに100を超え、121カ国の賛同を得て採択された。反対は米国とイスラエルなど14カ国だけだった。米国に近い欧米諸国にも同調しない国が出て、英国やドイツ、日本は棄権」、と自身の気持ちを込めて報道しています。しかし、ヨルダンが〝停戦〝を〝休戦〝に変えたことは、伝えていません。〝休戦〝に変えなければ獲得できなかった多数の賛成票なのだ、と私は悔しく思うのです。
全世界の労働者・市民は、イスラエルのネタニヤフ政権によるガザ地区への軍事攻撃に反対しよう!
全世界の労働者・市民は、ガザ地区の住民を支配するハマスによるイスラエルへの軍事攻撃に反対しよう!!
今こそ、パレスチナおよびイスラエルの労働者・市民と連帯して、宗教・民族対立をのりこえて、国際的な反戦闘争を創りだそう!