ヒノキの森の案内人のページ

『資本論』に学びながら、世の中の矛盾について考えたことをつづっていきます。

イスラエル軍によるガザ攻撃再開、弾劾! 戦闘の「人道的休止」の欺瞞!

 イスラエル軍は、ガザでの「戦闘の一時休止」が日本時間の本日(12月1日)14時に切れるとともに、ガザ地区への空爆を再開しました。わたしは、このイスラエル軍によるガザ攻撃再開に対して、怒りを込めて弾劾します。
 ロイター通信によると、ガザの保健当局は、この空爆で109人が死亡した、と発表しているとのこと。許せません!

「戦闘の一時休止」を止める、ということの意味
 ガザでの「戦闘の一時休止」を止める、ということは、ネタニヤフ政権は、自らが「人質全員の解放」求めていたはずの人質解放を放棄する決定をした、ということです。つまり、ハマスにとらえられている「人質」の残った人たちは、ネタニヤフ政権に見捨てられたわけです。
 そもそもハマスの「人質」になった人々を本当に全員救い出したいのなら、「人質」がいっしょにいるかもしれない・ハマスの幹部の居場所とした病院、学校などを無差別に空襲しないのではないでしょうか。救出しようとしている「人質」を殺害することになりかねないではありませんか。イスラエル軍による空爆や銃撃により、ガザの地で身の危険にさらされているハマスの「人質」たちは、ネタニヤフ政権にとっては、〝戦争〝における反ハマスパレスチナ人のプロパガンダとして扱われているだけなのです。「人質」たちの安否など、彼らはほとんど気にしていないということが、今回、はっきりしたではありませんか。そういえば、〔ガザへの核兵器の使用が選択肢の一つだ〕と発言したエリヤフ遺産相は、ラジオのインタビューでまた、ガザ攻撃によってガザで拘束されている外国人とイスラエル人を含む人質240人の命が危険にさらされるとの指摘に対し、「戦争は代償を伴う」とも述べていたではありませんか。

イスラエル軍が戦闘を再開した理由の欺瞞
 ネタニヤフ首相は、戦闘を再開した理由について、ハマスが合意に違反してイスラエルにロケット弾を発射した上、12月1日に停戦の条件となる解放予定の人質リストを提供しなかったから、と主張しています。 ハマスは、イスラエルが追加の人質解放の提案を受け入れなかった、と批判しています。
 イスラエル首相府は戦闘再開に関する声明で、「人質の解放、ハマスの排除、そしてガザ地区が二度とイスラエル国民を脅かさないようにするという目的の達成に尽力する」、と言っています。
 この「ハマスの排除」や「ガザ地区が二度とイスラエル国民を脅かさないようにする」とは、いったいどういうことなのでしょうか。ネタニヤフ首相は、ガザへの攻撃に対して〝即時停戦〝を叫ぶ世界のデモや国内の政権への批判を受けて、人質解放を条件にして11月24日から「戦闘の休止」を行ってきましたが、上記の目的(「ハマスの排除」や「ガザ地区が二度とイスラエル国民を脅かさないようにする」)を完遂するために、戦闘を再開したのだ、とわたしは思います。
 これらの発言からは、ネタニヤフ政権が、ハマスパレスチナ住民をガザの地から意図的かつ恒久的に追い払うという計画が、10月7日のハマスの奇襲攻撃によって破綻した、ということを見て取れると思います。
 それゆえ、パレスチナの土地に足を踏み入れさせない、ということにとどまらず、パレスチナの人民を根絶やしにする、ということをめざして、現在もパレスチナの地でジェノサイドを行っているのだと思います。

ネタニヤフ首相の〔「アマレク」(旧約聖書)を思い出す〕発言の意味
 ネタニヤフ首相は、10月28日に行ったヨアブ・ギャラント国防相(※なんと、いまだに国防相を務めている)、ベニー・ガンツ防相(※副首相兼)との共同声明の中で、旧約聖書申命記25章17節)を引用し、「アマレクがあなたがたにしたことを思い出しなさい」ということを「私たちは思い出し、戦います」――と言っているのです。
 旧約聖書においては、アマレクとは、古代イスラエルの民とは敵対関係にあったとされる民族で、神・ヤハウエは「あなたはアマレクの名を天の下から消し去らなければならない」として、アマレクの民を滅亡させることを命じたと記されています。また、同書「サムエル(※ユダヤ教の預言書)記」(15章3節)では、より具体的に、「今、行ってアマレクを撃ち、そのすべての持ち物を滅ぼしつくせ。彼らをゆるすな。男も女も、幼な子も乳飲み子も、牛も羊も、らくだも、ろばもみな、殺せ」と書かれているのです。
 これは、預言者・サムエルがイスラエル国の初代王・サウルに神のことばをこのように伝えた、ということなのですが、このような残虐極まりないことをするようにと神が言った理由は、そうしないと、数百年後にイスラエル国が滅ぼされてしまうから、ということなのです。しかし、初代の王・サウルは、「しかしサウルと民はアガグ(※アマレクの王」をゆるし、また羊と牛の最も良いもの、肥えたものならびに小羊と、すべての良いものを残し、それらを滅ぼし尽すことを好まず、ただ値うちのない、つまらない物を滅ぼし尽した」(サムエル記15章)のです。サウルは、アマレクの王・アガクに少々情けをかけたうえ、欲をだしたのですね。神の言葉に逆らったサウル王は、王座をはく奪された、ということです。その後、北のイスラエル国は、BC722年にアッシリア国により滅ぼされ、南のユダヤ国は、BC586年に新バビロニアに滅ぼされてしまいます。
 さて、このネタニヤフ首相の旧約聖書をだしにした「声明」は、イスラエル国民に対する、プロパガンダです。しかし、それ以上の意味を持つものだと、わたしは思います。なぜならば、「声明」として言葉に出しただけでそれを実践しなければ、ユダヤの民を裏切ることになるからです。
 このネタニヤフの「声明」を聞いた世界の労働者・人民は、毎日報道されるイスラエル軍によるパレスチナ住民へのジェノサイドに対して、増々怒りを大きくし、「即時停戦」への連帯を込めて、各国で集会やデモをより大きくつくりだしたのです。国際法にも従わないイスラエル政権の残虐極まる横暴を、世界の労働者・人民は、許していいのか!?

 

 即時停戦! イスラエル政権のパレスチナ住民たちへのジェノサイド弾劾!
 全世界の労働者・人民は、民族対立および宗教対立をのりこえて連帯し、イスラエル政権の蛮行を許さず、ハマスの軍事行動も止めよう! 

 自国政府のイスラエル支持に反対しよう!
 欧米権力者によるイスラエル支援を弾劾しよう!
 イスラエルの労働者・人民は、シオニズムの呪縛を解き放ち、ネタニヤフ政権を打倒せよ!!
                                         (2023.12.01)