ヒノキの森の案内人のページ

『資本論』に学びながら、世の中の矛盾について考えたことをつづっていきます。

〝JAPAN’S CHOICE〝 (「日本の選択」)の本質を突いた米『タイム』誌の見出し!!

📋 〝JAPAN’S CHOICE〝(「日本の選択」)
 米『タイム』誌が、岸田首相を表紙に掲載した5月22・29号(5月12日発売)の一部をウエブサイトに公開しました。表紙の画像には、岸田首相の写真がアップされ、「日本の選択」とタイトルがつけられ、「岸田文雄首相は数十年間の平和主義を捨て去り、日本を真の軍事力を持った国にすることを望んでいる」という見出しの一文が添えられています。
実に、忖度のない、岸田政権の本質を突いたスカッした表現だと思います。
 
📋 見出しの表現に、外務省が文句
 岸田首相は、4月28日に『タイム』誌のインタビューに応じたとのことですが、この見出しに外務省が文句をつけて、表現を修正させました。『TIME』誌側に「見出しと中身が異なっているとして異議を伝えた」とのこと。その結果、電子版の見出しは「岸田首相は、かつて平和主義だった日本に、国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている」に修正されたのです。雑誌の表紙の見出しは変更されていません。

📋 アメリカの見解を的確に表現した『タイム』誌
 しかし、「日本を真の軍事力を持った国にすることを望んでいる」という表現を「国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている」に変えることによって、日本が〝軍事大国〟になったというイメージは消えるのでしょうか? 「Military Power」を削除したからといって、本質がかわるわけではありません。
 岸田首相はこれまでの安全保障政策を大きく転換し、昨年12月に閣議決定で、安保関連3文書を改定し、敵のミサイル発射基地などをたたく「敵基地攻撃能力(反撃能力)」を保有することを明記しました。これは、いわゆる「平和主義」の専守防衛を完全に逸脱する決定です。防衛費についてもこれまでGDP比1%にとどめていたのを、2027年度には2%に増額する方針を決定しました。このことをもって、米政権は、やっと日本は、安全保障に本気になったとみているように思います。『タイム』誌の見出し(「岸田文雄首相は数十年間の平和主義を捨て去り、日本を真の軍事力を持った国にすることを望んでいる」)は、そのように米政権が岸田政権を見ているのだ、という端的な表現ではないかと思います。それゆえに、エマニュエル駐日米国大使は「『TIME』誌の表紙を飾った岸田首相にお祝い申し上げます! 開発、外交、そして抑止力。首相は国内だけでなく日米同盟に関してもリーダーシップを発揮しています」と賛辞を送っているわけです。
 

   岸田政権は、2011年3月11日の福島第一原発大事故を完全に忘れて、「将来にわたって持続的に原子力を活用する」として、原子力政策を大転換しました。この政策の狙いは、核兵器製造技術の開発です。このことと、安保関連3文書の改定は、同じ軍事大国化への道です。わたしは、このことを絶対に許すことはできません。