ヒノキの森の案内人のページ

『資本論』に学びながら、世の中の矛盾について考えたことをつづっていきます。

★ガザ地区は地獄絵の様相を呈している

 

「南部への避難」を強要されたパレスチナ人民の地獄絵の様相

 

 イスラエル軍の砲撃からかろうじて生き延びた人々は、ガザ地区の不衛生な避難所や大雨で冠水する路上に設置されたテント内に押し込められ、砲撃の爆音に怯え、寒さに打ち震えています。
 そして、生活支援物資の搬入は、イスラエル軍による攻撃の再開により、ほとんど入らない状態に陥っています。「子どもたちと家族は、塩分濃度が高かったり、汚染されたりした水を使わざるをえない。安全な水がなければ、今後数日間でさらに多くの子どもたちが水の欠乏と病気で命を落とすことになる」、とユニセフのキャサリンラッセル事務局長は、警告しています。
 支援物資の搬入をイスラエル政府が抑えこんでいるため、ガザ地区の最南端のラファでは、数百人のパレスチナの住民たちが、手にした容器一杯分の食べ物を求めて、炊き出し場に幾重にも人垣が重なりあい、争って容器を差し出す様子が報じられています。国連世界食糧計画(WFP)によると、ガザ地区では、11月24日から12月7日までに人口の93%にあたるおよそ208万人が、丸一日食料がない状態が常態化して「危機的」な食料不足に直面しているとのことです。現在搬入されている水や食料などの支援物資は、必要量の1割に過ぎないのです。そして、17%に当たるおよそ38万人は、5段階のうち「破壊的」な状態に陥っている、としています。
 トイレも破壊されたため不足し、3~4時間待ち状態。待ちきれないから、路上に汚物が放置され、シャワーもなく、衛生状態は最悪です。
 犠牲者の遺体の多くは、外に出るとイスラエル軍の標的にされるため、埋葬もできずに放置され、悪臭を漂わせています。爆撃で飛び散った肉片は、誰のものなのか判明もつかず、瓦礫の中で突き刺さったまま腐っていきます。
 薬や生理用品を含む衛生用品なども不足し、病院は破壊され、医療従事者や支援者たちへの恫喝的な攻撃が繰り返されています。
 パレスチナのあらゆる施設の破壊――モスクはもちろんのこと、パレスチナの労働者・人民たちの歴史の記録を保管している図書館も、あたかもネタニヤフ政権は、パレスチナの人民の存在したことそのものを消してしまおうとしているように思えます。これはまさしく、「民族浄化」そのものであると言えます。