ヒノキの森の案内人のページ

『資本論』に学びながら、世の中の矛盾について考えたことをつづっていきます。

☕「日本型 同一労働同一賃金」って、いったいなんなの❓

 昨年10月の最低賃金の改定で、東京都は据え置き、上がるところも1円~3円で、コロナ危機の中でどうやって生活するのよ、と怒っています。
 今年の4月から昨年の大手に続いて中小企業でも「同一労働同一賃金」が始まるとのこと。なんか、正社員並みの給料がもらえるかのような期待をもたせるような制度にみえます。同じ労働なら同じ賃金を支払う、ということのようだけど、非正規のわたしたちは、素直に喜んでいいのかしら? よ~く考えると、「同一労働」(おなじ労働)って、誰が決めるの? 基準は? なぜ、「日本型」が付いているの? 
 そもそも、なぜ経団連が提言して、連合は渋っていたのはなぜなのでしょうか? 
 ジャーナリストで和光大学名誉教授の竹信三恵子さんによると、「『同一労働同一賃金』は、まず経産官僚と経営者側(経団連のトップ)の調整を通じて骨格が固められ、その後に労働者(※神津連合委員長)を加えて『労働政策』の正当性を担保し」議会に持ち込まれたとのことです。これを聞いたら、なんなの!? という感じです。喜べるわけがない! マスコミは、「非正規労働者にも手当や賞与がつくようになった」、とばらまいているけど、同じような仕事をしている正規と非正規の基本給の是正がどうなっているのかは伝えていません。
 さて、連合が渋っていたわけは、非正規の賃金の増加分をどこから出すのかを考えたときに、正規の賃金が削られることを予想したからではないのでしょうか?
なんと非正規をばかにしています。 今春闘でも、連合幹部は「非正規労働者の待遇改善を!」などとすらっと、いってのけているのです。
 悔しさを噛みしめながら、わたしは、「日本型同一労働同一賃金」のまやかしを暴く鍵が『資本論』の中にあるのではないか、と思います。学びつつ考えていきたいと思います。
 新型コロナの中でも、未来に向かって歩んでいる皆さんからのコメントをお待ちしています。お互いの励みになると思います。

                    (2021.02.05 『わたしの中の資本論』より)